ECMOコールシミュレーション

横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救急救命センター

2024年10月28日横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センターにてECMOコールシミュレーションを行いました。


当院は横浜市の「最後の砦」として、様々な病態を有した重症患者が昼夜を問わず、救急搬送されます。
そこで、緊急性の高い重症外傷や産後出血による出血性ショックに対して救急科医師のみならず、放射線科医師、産婦人科医師、放射線技師、臨床工学技士、輸血部、救急事務と協働して重症患者の診療にあたるスイッチを押す役割を担う「トラウマコール」、「産褥コール」といった院内システムが採用されています。
 
今回の「ECMOコール」は、shockable rhythmの心肺停止事案に迅速にVA-ECMOを導入するためのシステムであり、救急科医師、循環器内科医師、看護師、放射線技師、臨床工学技士などと協働して診療に当たります。しかしながら様々な職種が一堂に介して診療にあたる場合はチームダイナミクスの養成が必要となります。そのため当院では定期的にコールシミュレーションを行い、システム自体の確認、職種間での認識の共通化、問題点の抽出と改善方法の模索、診療の迅速化を狙っています。

今回は救急科医師、循環器内科医師、麻酔科医師、研修医、看護師、放射線技師、臨床工学技士、横浜市大学生など様々な職種から述べ50名ほどのスタッフにお集まりいただきました。

まず初めに、救命センターECMOチームリーダーである谷口医師より講義があり、その後に診療シミュレーションを行います。訓練ではありますが、実際にECMOコールを発令して診療に当たりました。

このシミュレーションでは患者到着からVA-ECMO確立までの目標時間を15分間に設定しております。シミュレーション終了後は参加いただいた全ての職種の方からうまくいった点や改善すべき点を議論することで、より安全かつ迅速にVA-ECMOを確立するための改善点を抽出することが出来ました。

日常の診療においてお忙しい中、集まってくださった方々に感謝申し上げます。
今後もより良い診療を行なっていくために当センターでは定期的にシミュレーションを行なっております。
 

今後も継続的に開催し、少しでも急変次対応の質の維持や向上に貢献できればと思っております。

トラウマ&REACTシミュレーション

横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救急救命センター

2025年4月17日横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センターにてトラウマ&REACTシミュレーションを行いました。


当院は横浜市の「最後の砦」として、様々な病気を有した重症患者が昼夜を問わず、救急搬送されます。
横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センターでは重症外傷に対応するために新たな取り組みであるREsuscitative Advanced imaging for Critical care sTrategy(REACT)を開始し、重症外傷に対してより早くアプローチするような取り組みを行っています。

 

今回のシミュレーションにつきまして以下に提示いたします。

【概要】

2024年3月より運用しているREACTコールの流れの確認に重点を置き、トラウマコール+REACTコールのミニレクチャー後に仮想患者を用いたシミュレーションを実施しました。
 

【内容】

シミュレーションでは、ブリーフィング、ラピッドインフューザーの準備から初療、実際の患者のCTを用いた読影、そしてチーム内コミュニケーションまでを一連の流れで行いました。

   

【振り返り】

シミュレーション後にはプレイヤーや参加者を再度集め、デブリーフィングを実施しました。特にコミュニケーションに関する反省点や指摘が多く挙がり、より効果的な双方向コミュニケーションのための改善点を全体で共有しました。

具体的な課題:

リーダーが全体に読影結果を伝えていても、実際の現場では情報が十分に伝わらないことがある
一方向性のコミュニケーションとなりがちである
左右の所見の誤認が発生する

 
また、今回は頭部+体幹部外傷に対する穿頭術と体幹部止血術を行う症例を選定したため、特に穿頭術に関する振り返りも行いました。
 

【参加者】

医師(研修医、学生含む)、看護師(初療、手術室等)、放射線技師、輸血部、救命士など総勢60名弱の方々にご参加いただきました。
 
外傷診療への関心と熱意を感じ、大変有意義な研修となりました。

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小児患者受入コールシミュレーション

横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救急救命センター

6月23日に市大センター病院での小児患者受け入れシミュレーションを実施いたしましたのでご報告させていただきます。
2025年度の第一回ということで、乳児の頭部外傷を取り上げて横浜市大救命センターでの小児対応のフローや小児患者の見方などをシミュレーション形式で確認しながら学びました。

救急科のみならず、小児科や研修医、救命士、看護師、放射線技師、MEさんなど多職種で実施し総勢50名以上の参加をいただき、デブリーフィングでも多職種ならではの視点で活発な議論を頂くことができました。
今後の小児診療に向けて理解を深めることができたのではないかと思います。
今後も小児グループではシミュレーションや講義等を通じて小児診療の質の維持および向上に努めてまいりたいと思います。

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ビッグレスキューかながわ2024に多くの教室員が参加し、災害日米合同訓練を行いました。


2024年11月23日厚木市消防学校でビッグレスキューかながわ2024が開催され、当教室からも多くの教室員が参加し、日米合同の災害訓練を行いました。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/bigrescue/bigrescue.html
このイベントは神奈川県が主催し、県内のDMATチーム・米軍(Army, Navi, Air Force)・自衛隊が参加し、それぞれが協力し災害対応を行います。
今回は当教室土井医師(横須賀共済病院)が統括コントローラーとして訓練をコーディネートし、それぞれのエリアでの救護活動を行いました。
それぞれ教室員からの報告です。

 

<統括:土井医師>
今回、作業部会員のメンバーとして、訓練の立案とコントローラーを行いました。
政府訓練のような規模の大きい訓練とは異なり、自衛隊や米軍などの関係機関との距離が近い訓練ができることが特徴です。
日米連携をキーワードの一つとして、過去の訓練を重ねてきました。
今年の訓練は天気に恵まれたことも重なり、MIXな活動ができていて頼もしい訓練だったと感じております。
ビックレスキューかながわ参加者はDMAT-Lメンバーを主体に選出しており、機会があれば是非とも立候補してください。
このように日米の違いを間近に感じられる機会は貴重です。


<赤トリアージエリアコントトーラー:大井医師>
本日はビッグレスキューのコントローラーとして参加させていただきました。
このような大人数の訓練でのコントローラーとしての参加は初めてのため緊張しましたが、見慣れたメンバーがいることや、土井先生が統括リーダーであったことなど、顔を知っているメンバーがいたため緊張を和らげてくれました。
顔を知っている関係を広げていくには、こういった訓練などに参加して、一緒に活動していくことから生まれることも感じました。

赤エリアのコントローラーでしたが、どうやったらプレーヤーがそのエリアの活動を円滑にできるようになるのか、全体の流れを円滑に進めていくにはどんなアドバイスを伝えれば良いか、他のエリアのコントローラーとどんな情報を共有しながら進めて行けば良いのかなど、色々なやり方を学ぶことができました。

米軍と協力しながら一緒に診療していくということはできたのではないかなと思います。
今回の訓練で積極的に自分からコミュニケーションをとりに行く大切さを強く感じることができる訓練でした。
今後もタスクやコントローラーなどに参加することで、経験を積んでいきたいと思います。


<統合本部指定プレーヤー:小川医師>
ビッグレスキューかながわに参加したのは私自身初めてでした。
今回のテーマは日米合同訓練でコミニュケーションをしっかりとり、円滑に災害発生時の対応を協力しながらやろうということを目標としていました。
準備の段階からNavi, Air Force, Armyと積極的にコミュニケーションをとり、いざ本番のセットアップを開始しました。
いざ訓練がスタートすると日米双方に確認しなければならないこと、自衛隊との連携など色々な問題があり、DMATで学んでいることと、自衛隊の考え方、米軍の考え方などを鑑みながら、一体どんなことが災害現場に必要なのか、それぞれにどのような要求を出して、どのように対応してもらうのが最適なのかということを議論することに尽力しました。

 
今回の訓練において、米軍側はno planであり、毎年参加しているが、今年は来年以降に繋げるように訓練をして、必要なところを吸収していきたい、実際にこんな訓練はなかなかできないのでとてもexcitingだとMedical Emergency Managerがはじめから話していました。
 
我々も日本のDMATの考え方であったり、本部のlogisticsなどを共有しながら議論できました。途中で、「傷病者受け入れに対するform(雛形みたいなもの)は共有しているのか?formがあれば統一できてやりやすいというような意見もありました。それぞれのエリアから日本語に翻訳したものを持ってくることをやってくれておりましたが、忙しくなると難しかったようです。なので英語であろうが日本語であろうがどちらでも対応できるようにしないといけないと思いました。

お陰で米軍に関しては、
①神奈川周辺の米軍医療機関の状況
②キャンプや駐屯地での医療体制・病院の受け入れキャパシティや専門性など
③米軍救急調整班の医療用救急車を含めた搬送手段要請の難しさ
④日本の車両の米軍施設への乗り入れ
⑤米軍への協力要請の難しさ
⑥DMATのロジスティックスがどれだけ多くの役割を分担しているか(米軍は個々に細分化されておりました)

 
自衛隊においては、
①自衛隊関連施設の仕組み
②自衛隊搬送手段(ヘリを含めて)
③米軍との合同演習はよくやっているが日本のDMATとはあまりやったことがなかったのでとても刺激になった

 
双方共に軍という組織であり、普段知らないことを学ぶことができました。
防衛省から通訳2名、米軍1名の通訳の方が一緒に入ってくれていましたが、ある程度は1人で調節できることができ、安堵しております。
というよりも、異国の方とのコミュニケーションをずっと取らせてもらって本当に楽しかったです。

黄・赤トリアージエリアでもしっかりとコミュニケーションをとりながらできたという報告を受けて、協力し合えたと双方から報告されておりました。

 
本部リーダーとして何をすべきか、方針を立てる、何が問題であるのか、そのようなことを学ぶことができ、非常に有意義な訓練でありました。


<統合本部サブリーダー:坂口医師>
今回私は本部のサブリーダーとして、小川先生のもとで、DMATチームの取りまとめと搬送調整を行ってまいりました。
本部は附属病院、南共済病院、当院のチームで構成されました。
把握すべき情報として、各エリアの傷病者や搬送を要する患者だけでなく、箱・人のキャパシティやスタック状況など、多岐にわたるところではありますが、それらを確立する前に情報がなだれてくる状況でした。
内部の立ち上げに手間取りましたが、人員配置に関して、チームビルディングを再度し直したことで順応できたと思います。
流動的な現場では、こうした見直しと再構築を繰り返すことが重要でした。
ビッグレスキューでは、神奈川のDMATチームだけでなく、米軍(陸海空軍)や自衛隊(陸自海自)など、幅広い協働がテーマにありました。
その中で、搬送手段としての自衛隊車両(4名同時搬送可能)であったり、搬送先としての米軍病院へ日本車輌の乗り入れが可能なのか、など本訓練ならではの点に関して、米軍や自衛隊と連携できたかと思います。
 
言語の壁の先に、まだまだ調整できる課題が山積であることを感じました。
ただ、本来の目的であった、米軍や自衛隊との協働にたどり着くまでに、時間を要したことが心残りであります。
次の訓練…が本番かもしれない、というのが災害ですので、すぐにチーム内での反省やこうして先生方との共有で繋げていければと思います。


<赤トリアージエリア:福井医師>
自分含む横須賀共済病院のDMATチームは赤トリアージエリアに配属され、トリアージされた傷病者の安定化、treatmentの部分を中心に行わせていただきました。
 
チームの中には当院のスタッフだけでなく米軍の医療従事者にも入っていただき診療に当たりました。さらに日本語が話せない傷病者も搬送されるとのことで、片言程度しか話せない自分としてはかなりコミュニケーションに難渋することを危惧しておりました。
また、自身もこのような大きな訓練は初めてでありましたので緊張感もあり上手くマネジメントできるか不安を持ちながら訓練が開始されました。
しかしながら、米軍の方々は皆様フレンドリーでとてもやりやすい空気を作っていただき、なんとか安定化→搬送への部分を滞りなく行うことができたと思っております。また、普段行っている病院内での診療と異なり限りある資源や搬送手段でいかに上手くやりくりし優先順位をつけるかを考える良い機会となりました。
一方、個人的な課題としては資材に過不足があったり適切な機材をすぐ出せなかったりと準備が足りない部分がありましたので病院に戻って準備を怠らないようにしていきたいです。


<統合本部:藤井医師>
私は本部に配置となり、受け入れ先の病院と対応可能な疾患•人数の把握、搬送振り分け、搬送手段の確保を行いました。
 
<自分の役割を通して>

日本の車両は米軍の敷地に基本入れないため、その許可をとってもらうことは可能か
一般の日本人患者を米軍病院や自衛隊病院で診てもらえるか
どの病院でどの科のどの重症度の患者を何名受け入れられるか
赤トリアージ、黄トリアージが何人おり、うち何人が受け入れ先が決まっていないか等、確認すべき事項が多くあることを学びました。

 
特に上2つは日米合同訓練だからこそ生まれた確認事項でした。
 
また、情報が随時飛び交う中で自分の必要な情報を拾い上げることが難しく、自分の知らないうちに搬送手段•搬送先が決まっていることもあり、体制に関して改善の余地があると感じると同時に、やはり密なコミュニケーションが重要であると認識しました。

ビッグレスキューかながわ2024に多くの教室員が参加し、災害日米合同訓練を行いました。


2024年11月23日厚木市消防学校でビッグレスキューかながわ2024が開催され、当教室からも多くの教室員が参加し、日米合同の災害訓練を行いました。
https://www.pref.kanagawa.jp/docs/j8g/bigrescue/bigrescue.html
このイベントは神奈川県が主催し、県内のDMATチーム・米軍(Army, Navi, Air Force)・自衛隊が参加し、それぞれが協力し災害対応を行います。
今回は当教室土井医師(横須賀共済病院)が統括コントローラーとして訓練をコーディネートし、それぞれのエリアでの救護活動を行いました。
それぞれ教室員からの報告です。

 

<統括:土井医師>
今回、作業部会員のメンバーとして、訓練の立案とコントローラーを行いました。
政府訓練のような規模の大きい訓練とは異なり、自衛隊や米軍などの関係機関との距離が近い訓練ができることが特徴です。
日米連携をキーワードの一つとして、過去の訓練を重ねてきました。
今年の訓練は天気に恵まれたことも重なり、MIXな活動ができていて頼もしい訓練だったと感じております。
ビックレスキューかながわ参加者はDMAT-Lメンバーを主体に選出しており、機会があれば是非とも立候補してください。
このように日米の違いを間近に感じられる機会は貴重です。


<赤トリアージエリアコントトーラー:大井医師>
本日はビッグレスキューのコントローラーとして参加させていただきました。
このような大人数の訓練でのコントローラーとしての参加は初めてのため緊張しましたが、見慣れたメンバーがいることや、土井先生が統括リーダーであったことなど、顔を知っているメンバーがいたため緊張を和らげてくれました。
顔を知っている関係を広げていくには、こういった訓練などに参加して、一緒に活動していくことから生まれることも感じました。

赤エリアのコントローラーでしたが、どうやったらプレーヤーがそのエリアの活動を円滑にできるようになるのか、全体の流れを円滑に進めていくにはどんなアドバイスを伝えれば良いか、他のエリアのコントローラーとどんな情報を共有しながら進めて行けば良いのかなど、色々なやり方を学ぶことができました。

米軍と協力しながら一緒に診療していくということはできたのではないかなと思います。
今回の訓練で積極的に自分からコミュニケーションをとりに行く大切さを強く感じることができる訓練でした。
今後もタスクやコントローラーなどに参加することで、経験を積んでいきたいと思います。


<統合本部指定プレーヤー:小川医師>
ビッグレスキューかながわに参加したのは私自身初めてでした。
今回のテーマは日米合同訓練でコミニュケーションをしっかりとり、円滑に災害発生時の対応を協力しながらやろうということを目標としていました。
準備の段階からNavi, Air Force, Armyと積極的にコミュニケーションをとり、いざ本番のセットアップを開始しました。
いざ訓練がスタートすると日米双方に確認しなければならないこと、自衛隊との連携など色々な問題があり、DMATで学んでいることと、自衛隊の考え方、米軍の考え方などを鑑みながら、一体どんなことが災害現場に必要なのか、それぞれにどのような要求を出して、どのように対応してもらうのが最適なのかということを議論することに尽力しました。

 
今回の訓練において、米軍側はno planであり、毎年参加しているが、今年は来年以降に繋げるように訓練をして、必要なところを吸収していきたい、実際にこんな訓練はなかなかできないのでとてもexcitingだとMedical Emergency Managerがはじめから話していました。
 
我々も日本のDMATの考え方であったり、本部のlogisticsなどを共有しながら議論できました。途中で、「傷病者受け入れに対するform(雛形みたいなもの)は共有しているのか?formがあれば統一できてやりやすいというような意見もありました。それぞれのエリアから日本語に翻訳したものを持ってくることをやってくれておりましたが、忙しくなると難しかったようです。なので英語であろうが日本語であろうがどちらでも対応できるようにしないといけないと思いました。

お陰で米軍に関しては、
①神奈川周辺の米軍医療機関の状況
②キャンプや駐屯地での医療体制・病院の受け入れキャパシティや専門性など
③米軍救急調整班の医療用救急車を含めた搬送手段要請の難しさ
④日本の車両の米軍施設への乗り入れ
⑤米軍への協力要請の難しさ
⑥DMATのロジスティックスがどれだけ多くの役割を分担しているか(米軍は個々に細分化されておりました)

 
自衛隊においては、
①自衛隊関連施設の仕組み
②自衛隊搬送手段(ヘリを含めて)
③米軍との合同演習はよくやっているが日本のDMATとはあまりやったことがなかったのでとても刺激になった

 
双方共に軍という組織であり、普段知らないことを学ぶことができました。
防衛省から通訳2名、米軍1名の通訳の方が一緒に入ってくれていましたが、ある程度は1人で調節できることができ、安堵しております。
というよりも、異国の方とのコミュニケーションをずっと取らせてもらって本当に楽しかったです。

黄・赤トリアージエリアでもしっかりとコミュニケーションをとりながらできたという報告を受けて、協力し合えたと双方から報告されておりました。

 
本部リーダーとして何をすべきか、方針を立てる、何が問題であるのか、そのようなことを学ぶことができ、非常に有意義な訓練でありました。


<統合本部サブリーダー:坂口医師>
今回私は本部のサブリーダーとして、小川先生のもとで、DMATチームの取りまとめと搬送調整を行ってまいりました。
本部は附属病院、南共済病院、当院のチームで構成されました。
把握すべき情報として、各エリアの傷病者や搬送を要する患者だけでなく、箱・人のキャパシティやスタック状況など、多岐にわたるところではありますが、それらを確立する前に情報がなだれてくる状況でした。
内部の立ち上げに手間取りましたが、人員配置に関して、チームビルディングを再度し直したことで順応できたと思います。
流動的な現場では、こうした見直しと再構築を繰り返すことが重要でした。
ビッグレスキューでは、神奈川のDMATチームだけでなく、米軍(陸海空軍)や自衛隊(陸自海自)など、幅広い協働がテーマにありました。
その中で、搬送手段としての自衛隊車両(4名同時搬送可能)であったり、搬送先としての米軍病院へ日本車輌の乗り入れが可能なのか、など本訓練ならではの点に関して、米軍や自衛隊と連携できたかと思います。
 
言語の壁の先に、まだまだ調整できる課題が山積であることを感じました。
ただ、本来の目的であった、米軍や自衛隊との協働にたどり着くまでに、時間を要したことが心残りであります。
次の訓練…が本番かもしれない、というのが災害ですので、すぐにチーム内での反省やこうして先生方との共有で繋げていければと思います。


<赤トリアージエリア:福井医師>
自分含む横須賀共済病院のDMATチームは赤トリアージエリアに配属され、トリアージされた傷病者の安定化、treatmentの部分を中心に行わせていただきました。
 
チームの中には当院のスタッフだけでなく米軍の医療従事者にも入っていただき診療に当たりました。さらに日本語が話せない傷病者も搬送されるとのことで、片言程度しか話せない自分としてはかなりコミュニケーションに難渋することを危惧しておりました。
また、自身もこのような大きな訓練は初めてでありましたので緊張感もあり上手くマネジメントできるか不安を持ちながら訓練が開始されました。
しかしながら、米軍の方々は皆様フレンドリーでとてもやりやすい空気を作っていただき、なんとか安定化→搬送への部分を滞りなく行うことができたと思っております。また、普段行っている病院内での診療と異なり限りある資源や搬送手段でいかに上手くやりくりし優先順位をつけるかを考える良い機会となりました。
一方、個人的な課題としては資材に過不足があったり適切な機材をすぐ出せなかったりと準備が足りない部分がありましたので病院に戻って準備を怠らないようにしていきたいです。


<統合本部:藤井医師>
私は本部に配置となり、受け入れ先の病院と対応可能な疾患•人数の把握、搬送振り分け、搬送手段の確保を行いました。
 
<自分の役割を通して>

日本の車両は米軍の敷地に基本入れないため、その許可をとってもらうことは可能か
一般の日本人患者を米軍病院や自衛隊病院で診てもらえるか
どの病院でどの科のどの重症度の患者を何名受け入れられるか
赤トリアージ、黄トリアージが何人おり、うち何人が受け入れ先が決まっていないか等、確認すべき事項が多くあることを学びました。

 
特に上2つは日米合同訓練だからこそ生まれた確認事項でした。
 
また、情報が随時飛び交う中で自分の必要な情報を拾い上げることが難しく、自分の知らないうちに搬送手段•搬送先が決まっていることもあり、体制に関して改善の余地があると感じると同時に、やはり密なコミュニケーションが重要であると認識しました。

2024年YMAT育成研修


2024年7月17日横浜市消防局南消防署にて開催されました2024年度YMAT育成研修に講師運営側及び研修生として教室員が参加しました。
横浜市内における局所災害・多重傷病者発生事案などに対して、訓練を受けた医師・看護師
と消防・救急隊員とともにいち早く現場に到着し、プレホスピタル活動を行うチームをYMAT(Yokohama Medical Ambulance Team)と言います。いつでも対応できるように平時から訓練を行い、「その時」に対応できるようにしています。
今回参加した教室員から講師側・運営側・受講者側としてそれぞれ報告いたします。


<センター病院:武田医師-講師>
南消防署でYMAT養成研修の講師として参加しましたのでご報告させて頂きます。
YMATにおける医療活動について講義させて頂きました。
・常に現場指揮本部の指揮下で活動する
・現場では必要最低限の安定化処置を迅速に行う
・多数傷病者事案の場合はMD体制になり得る
上記ポイントをメインに、自身が経験した京急脱線事故の事案も紹介させて頂きました。
その後の実技研修に関しては、南消防の方含め関係各所と合同で災害現場でのトリアージ、処置、病院への搬送順位付けといった流れで実技訓練を行いました。
現場で出来ることはしっかり行うこと、安定化させてから搬送させることの重要性を改めて感じました。そのためには、環境が整った院内での手技、診療を迅速に行えることが大前提であると思います。引き続き自身も診療レベルの向上を図っていきたいと思います。


<センター病院:藤平医師-運営側>
序盤の武田先生の講義では、実際の脱線事故におけるYMAT経験を元に、さらに当時の写真を交えての説明があり、受講者は本当によく聞き入っており、実際の経験に勝るものはなく、心に響く発表で感服いたしました。
その後の実技研修では、模擬患者であっても消防関係皆様がYMAT育成のために、本気の救助さながら南消防署全体に大きく響き渡る全力の大声で実演して頂いておりました。
座学では学べない緊張感を体感し、実際のYMAT活動に向けて私自身も身が引き締まる思いで参加させて頂きました。


<センター病院:山本救命士-運営側>
本研修は医師、看護師が消防組織を知り、プレホスピタルでの活動を行う上で厳守すべきCommand&ControlとSafetyを学ぶ研修でありました。
研修内容においては、消防側の講義(災害現場における連携と安全管理について)と医療側の武田先生の講義(災害時の医療活動について)を行いました。
その後、場所を移動し想定①交通事故での外傷事案と想定②交通事故での多数傷病者事案を行いました。
今回は例年より受講生が多く一部見学の方もいましたが、コンセプトに従って適宜見学の方にも協議が行える環境を提供しておりました。
自分にとって改めて現場で行わないといけない処置、搬送を優先しなければいけない事案などを整理し感じることができました。
救助隊の意見を聞くことは普段あまりないため、大変貴重な機会となり勉強になることが多くありました。
現在、研修医の先生や若手看護師さん向けにYMAT&ドクターカーの勉強会を行っておりますので、今回の研修で新たに得たことを取り入れ、より良いものにしていけるよう尽力してまいります。

 

<横浜市民病院:小栗医師-受講者>
今回のYMAT養成研修に、市民病院からも、松尾先生、市民プログラムの専攻医2名、看護師1名と共に計5名で参加させて頂きましたので、ご報告と御礼を申し上げます。
講義では、武田先生の京急線脱線事故でのご経験のお話が、非常に臨場感をもって感じられました。
多様な現場状況全てで通用するような、画一的な評価の方法、正解があるわけではない中で、指揮本部のもと冷静に動き、時には臨機応変な対応や提案も必要であること、そのために普段の臨床からある程度のストレスのかかった状況での対応に慣れておく必要があることを感じました。
実技では、特に消防隊の皆様の覇気や声量に圧倒される場面などもあり、
今後の現場活動で意識すべきCSCAのポイントを学ぶ機会となりました。


<センター病院:小池医師-受講者>
本日、南消防署でYMAT養成研修の受講者として参加いたしましたのでご報告させていただきます。
まず動画での事前学習を踏まえ、本日の講義と実技を迎えました。
講義ではYMATの要請基準および関係する各部署との連絡の取り合い、現場での活動と他職種との連携の取り方などを学ばせていただきました。
実技に関しては交通事故による傷病者2名への対応ブースと、交通事故による多数傷病者案件を扱ったブースそれぞれで、YMAT活動の訓練を行いました。
実際の実技では、救急隊、消防隊、救助隊といった他職種と連携をとり安全を配慮したうえでYMATチームの医療を展開する難しさを痛感しました。またそれぞれの傷病者の適切な介入と安定化を図ったうえで、どの医療機関に搬送するかを迅速に判断することも非常に重要であると感じました。
今後、YMAT隊員として現場に赴く機会があると思いますが、実際の現場ではさらに混乱や緊張があり、自身の経験の少なさからも今回のようにスムーズに活動が進まないことが想定されます。日ごろからYMAT活動を念頭に置きながら、日々の診療や手技を磨いていき、現場で十分に能力が発揮できるよう努力していく所存です。


 当教室には局所災害や多数傷病者発生事案発生の際にいつでも活動できるような研修への参加やトレーニングを随時行っており、YMAT隊員も多く在籍しています。
横浜市近隣でいつ大きな事故や局所災害が発災するかわかりません。「その時」に動ける人材育成も我々横浜市大救急医学教室の使命の一つです。このような大規模実働訓練の反省を生かしてよりより体制整備に尽力してまいります。

看護師向けPOCUセミナー報告


第75回救急学会関東地方会においてセンター病院EICUの看護師が4年前から取り組んでいるUltraNS(看護師が超音波を患者アセスメントに用いる研究)の一環として、今学会主催の日本大学救急:大屋先生にご協力いただき看護師向けのPOCUSセミナーを企画・開催しました。


UltraNSプロジェクトに関するご報告

先日開催された「第75回救急学会関東地方会」において、当センター病院EICU(高度治療管理室)の看護師が4年前から取り組んでいる「UltraNS(看護師が超音波を患者アセスメントに活用する研究)」の一環として、日本大学救急医学の大屋先生のご協力を得て、看護師向けのPOCUS(Point-of-Care Ultrasound: ベッドサイド超音波診断)セミナーを企画・開催いたしました。
セミナーでは、救急ICU所属の看護師6名が講師となり、15名の受講者に対し、膀胱容量評価や末梢血管確保に関する講義および実技指導(ハンズオン)を行い、大変好評をいただきました。
また、当日の午前中には学会発表も行われ、「集中治療室における末梢POCUS導入前後の看護師による末梢静脈路確保率の比較」をテーマに、UltraNS導入前後における看護師の成果を比較検討しました。結果として、医師による末梢静脈路確保の割合が34%から9%へと減少し、タスクシフトによる業務負担の軽減という有意義な成果が報告されました。この研究はEICUの今長谷看護師が発表を担当しました。


センター病院におけるPOCUSの取り組みと今後の展望

POCUSは、2010年にNEJM(New England Journal of Medicine)で取り上げられて以降、当初は医師が主に担っていましたが、近年では看護師の活用も注目されています。当院では全国的にも珍しく、ユニット全体でPOCUSに取り組む体制が整備されており、これは大学病院系ではない医療機関として非常に貴重な試みです。さらにセンター病院看護部の全面的な支援のもと、今年3月には看護師専用のポータブル超音波装置14台が新たに導入され、救急ICU以外の現場にも教育と実践の場を広げる計画が進んでいます。
このUltraNSの取り組みは、2024年4月から2年間にわたり、医療専門誌「Emerlog」に連載されており、今後さらに注目を集めることが期待されています。(リンク先:https://store.medica.co.jp/journal/06.html

チーム医療と多職種への教育の重要性

救急医療の現場では医師だけでなく、看護師、救急救命士、放射線技師など、さまざまな職種が協力し合う「チーム医療」が不可欠です。当院ではPOCUSを多職種で活用する文化を根付かせるべく、教育の拡充にも力を入れています。タスクシフトの推進に加え、この取り組みは各職種のスキルアップ(リスキリング)にもつながる重要なステップです。
さらに今後は、救急隊員への教育の実施も視野に入れ、POCUSの活用範囲を拡大していく所存です。この活動が地域医療の向上や横浜市大のプレゼンス向上に寄与するとともに、新たな研究テーマとしての可能性も広げることを目指しています。

PALSコース2024開催


9/21-22に横浜市大センター病院でPALSコースを開催しました。
医師看護師 14名の方に受講生として参加していただきました。
 
1日目は小児の心肺蘇生の復習から始まり、小児の呼吸管理のスキル、骨髄路確保の練習、電気ショックの練習などを行います。
 
2日目は重症な小児の評価の手順を人形を使ったシミュレーションを何度も繰り返すことで、体系的な小児の評価方法を身に着けること、そしてその中でチーム医療を実践してもらうことを目標にしております。

2日間朝から夕方までみっちりと、時間もお金もかかるコースではありますが、受講生からも体系的に学ぶことができてよかった、これからの診療に生かせそうとの感想をいただくことができました。

今後も継続的に開催し、少しでも小児の診療の質の維持や向上に貢献できればと思っております。

 

PALSコース2025開催


この9/13-14に横浜市大センター病院にてPALSコースを開催しました。
昨年に引き続き、今年も小児科、救急科、研修医など様々な立場の方に参加いただくことができました。
 
1日目は小児の心肺蘇生の復習から始まり、小児の呼吸管理のスキル、骨髄路確保の練習、電気ショックの練習など救命に必須のスキルを学習し、
 
2日目は重症な小児の評価の手順を人形を使ったシミュレーションを何度も繰り返すことで、体系的な小児の評価方法を身に着けること、そしてその中でチーム医療を実践してもらうことを目標にしております。
 
PALSコースは小児医療の質の向上、底上げを目標にしています。
2日間朝から夕方まで、時間もお金もかかるコースではありますが、受講生からも体系的に学ぶことができてよかった、これからの診療に生かせそうとの感想をいただくことができました。
 
自院開催することでこの地域の医療に貢献できるのは何よりの喜びですので、来年以降も継続できるよう頑張っていきたいと思います。

HP-CPRコース


ハイパフォーマンスCPR(HP-CPR)

これは、従来のBLS/ACLSにとどまらず、蘇生の質そのものを最大限に高めるチームベースの蘇生法です。
米国のSeattleやKing Countyなど、世界で最も高い院外心停止生存率を誇る地域で実践されており、そこから生まれた教育プログラムが「GRA(Global Resuscitation Academy)」です。
 
GRA Japanの詳細はこちらのリンクをご参照ください:
https://osakalifesupport.or.jp/globalresuscitationacademy_japan/index.html


今回、HP-CPRコースを受講受講しましたのでご報告いたします。
当教室からは、大井、大塚先生、篠原先生、松本順先生、菊池先生、宮川先生、吉田救命士の7名が受講生として参加いたしました。
 
本コース開催にあたり、綿密な準備をしてくださった竹内先生、山本救命士、明治国際医療大学の原救命士をはじめ、全国からご指導にあたってくださった救命士の皆様に心より感謝申し上げます。

 

HP-CPRは、BLS(一次救命処置)の質を徹底的に追求し、院外心停止患者の蘇生率向上を目指す内容でした。
特に、胸骨圧迫の質を高めること、Chest Compression Fraction(CCF)80%以上の確保、胸骨圧迫のリコイルと換気のタイミングを最適化することなど、すべてのプロセスが科学的根拠に基づいており、非常に示唆に富んだものでした。
また、チーム全体が共通のコンセプトを持って蘇生に取り組むことで、ここまでCCFを高めることができるのかと、実体験を通じて深く学ぶことができました。

現場の救命士がここまで真剣に蘇生に取り組んでいる姿に触れ、私たち病院側もその想いを確実に引き継ぎ、全力で蘇生に臨まなければならないと強く感じた一日となりました。

 

今後も教室一丸となって、より質の高い救命医療を実現していけるよう努めてまいります。