活動報告

活動報告 2026.11.8

台湾・国際外傷シンポジウム招待講演

2026 International Symposium on Surgeons' Medical Resilience Enhancement — Beyond Damage Control to Resilient Trauma Systems
(藤平医師より)


2026年11月7日、台湾・新北市の亞東紀念醫院(Far Eastern Memorial Hospital)において開催された国際シンポジウム「2026 International Symposium on Surgeons' Medical Resilience Enhancement — Beyond Damage Control to Resilient Trauma Systems」に、当教室(市民総合医療センター 高度救命救急センター)の藤平医師が招待演者として登壇いたしました。
本シンポジウムは、地政学的・有事対応を見据えた極限状況下における外傷外科システムの強靭化(レジリエンス)を主眼とし、米軍・カナダ軍の軍医、世界的外傷トレーニング(DSTC/DATC)の国際ディレクター、台湾衛生福利部の要職、ならびに第一線で活躍する国内外のTrauma Surgeonが一堂に会する極めて高水準かつ実践的な学術集会となりました。


発表前夜:世界基準の外傷外科リーダーたちとの国際交流


シンポジウム前日、登壇者および関係者による夕食会が開催されました。
世界的な外傷外科手術トレーニングコースであるDSTC(Definitive Surgical Trauma Care)国際プログラムディレクターのTarek Razek教授(カナダ・マギル大学)や、麻酔科版DATCオーストラリア代表のDavid Scott先生をはじめとする各国の重鎮が参加。
各国の外傷外科教育システムの差異や、有事・極限環境下での医療トレーニングの導入などについて、膝を突き合わせた極めて熱気あるディスカッションが行われました。
言葉の壁を越えて現場の臨床医同士として率直に語り合い、強固な信頼関係を築く貴重なネットワーキングの場となりました。

 

講演概要:日本の重症外傷診療体制と「最後の砦」の矜持


講演概要:日本の重症外傷診療体制と「最後の砦」の矜持
翌日の本会議において、藤平医師は「日本における外傷外科の現状と課題、そして横浜の挑戦」と題し、40分間の全編英語による単独講演を行いました。

 

【主な発表内容】

日台の外傷診療体制の構造的比較

台湾の大規模施設における「集約型」外傷診療と、日本の複数施設へ分散する「分散型」体制の長短を客観的データに基づき提示

重症外傷減少時代における日本の課題と横浜モデル

交通死の激減という公衆衛生・インフラ整備の成果の裏で、1施設あたりの重症外傷経験数が減少している日本の現状を概説。その解決策として横浜市で推進してきた「重症外傷センター(Y-CORE)への集約化」の成果、さらにドクターカー・YMAT(横浜救急医療支援チーム)による早期介入システムの展望を報告。

外科医不足とAcute Care Surgery(ACS)チームの使命

外科医師の減少に伴い、夜間・休日の緊急体幹外傷および緊急手術(4つ目の集約化)を一手に引き受ける救命救急センターのリアルな稼働状況を共有。少人数体制であっても「最後の砦」として応需し続けるACSチームの矜持を強調。

「鬼手佛心」の精神

制度や医療システムをどれほど精緻に設計しようとも、危機に直面した患者の命を最後に救うのは、現場で泥臭くメスを握り続ける外科医の情熱と覚悟であるというメッセージを発信。


国際的な反響と今後の展望



質疑応答では、台湾の座長やフロアから「自ら声を上げて地域体制を変革していく日本の取り組みと、現場の強い情熱に深く勇気づけられた」と熱い共感のコメントをいただきました。
さらに、前夜の交流会でも熱心に議論を交わしたTarek Razek教授からも、「各国の外傷外科が直面する課題に対して本質を突いた発表であり、現場を支える『鬼手佛心』の哲学とパッションは会場の全員に届いた」との高い評価を頂戴いたしました。
また、講演後には米国・ロサンゼルスの最前線で外傷外科を牽引される松島一英先生をはじめ、各国のエキスパートらと日米台のACSの未来について濃密な意見交換を行い、国境を越えた連携の絆をより強固なものとしました。
当教室では今後も、実臨床・研究・教育の三位一体を推進し、平時の重症救命から有事・災害時のレジリエンスまでを見据えた強固な救急・外傷医療体制の構築と、世界水準で活躍できる次世代の医療人育成に教室員一丸となって尽力してまいります。

 
 

シンポジウム名称: 2026 International Symposium on Surgeons' Medical Resilience Enhancement — Beyond Damage Control to Resilient Trauma Systems
開催日時: 2026年11月7日
開催場所: 亞東紀念醫院(Far Eastern Memorial Hospital / 台湾・新北市)
演題発表: 藤平 医師(公立大学法人横浜市立大学附属市民総合医療センター 高度救命救急センター / 救急医学教室)


今後の国際イベントに対しても横浜市大救急医学教室から積極的に参加し技術・知識の向上に励んでいます。
海外学会の出席・発表・講習などによる資格取得を勧めています。
興味のある医学生・専攻医・医師の皆様気軽にご連絡いただければと思います。

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