活動報告 2026.7.9
外傷外科志望専攻医
Ryder Trauma Centerを尋ねる
当教室外傷外科志望専攻医が、Miamiで現在臨床留学をされているACSグループ山口先生の施設Ryder Trauma Center(Jackson Memorian Hospital)を訪問しました。
以下に専攻医から報告です。
| <センター病院野尻医師> |
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先日、アメリカ・マイアミにあるRyder Trauma Centerでfellowとして勤務されている山口先生にお会いし、現地の病院を見学する機会をいただきましたので、ご報告いたします。
実際に病院内を案内していただき、アメリカのTrauma Centerにおける診療現場を見学するとともに、現地の医療体制について直接お話を伺うことができました。病院全体では年間約10万台の救急車を受け入れており、Trauma Center自体が病院の中にある一つの病院のような規模であることに驚きました。75床あるERの診察室とは別に外傷初療専用の初療室が多数設けられており、必要時には数分で手術室へ搬送できる体制が整えられていました。
また、診療は各専門科・職種によって明確に分業されており、患者さんが搬送された際には、それぞれの専門スタッフが迅速に集まる体制となっていました。たとえば、初療室での挿管は手術室の麻酔科医が担当し、PICCやCVの挿入は専門のNPが行うなど、各職種・各診療科が専門性を活かして外傷診療に携わっている点が非常に印象的でした。
山口先生からは、アメリカでの臨床やどのようにしてfellowshipなったかについてのお話だけでなく、日本とアメリカの医療の違いや、それぞれの長所や課題についても率直に伺うことができ、大変勉強になりました。
また、竹内先生、小川先生が2026年1月にマイアミを訪問された際に行かれたキューバ料理店にも連れて行っていただき、マイアミならではのラテンアメリカの文化にも触れることができました。料理はどれもボリューム満点でしたが、とてもおいしかったです。
滞在中はちょうどワールドカップが開催されており、マイアミではアルゼンチン対カーボベルデの試合が行われていました。街中にはユニフォームを着たサポーターがたくさんいて、試合前からとても盛り上がっていました。マイアミはラテンアメリカの文化が色濃く感じられる街で、サッカーの熱気も相まって、街全体が明るく活気にあふれていたのが印象的でした。医療だけでなく、現地の雰囲気や文化にも触れることができ、とても楽しい経験になりました。
今回の見学を通して、日本とは異なる外傷診療のスケールやシステムを実際に肌で感じることができ、非常に貴重な経験となりました。私はハンガリーの大学を卒業しましたが、ちょうど臨床実習の時期にコロナウイルスの流行と重なり、本来であればさまざまな国の医療現場を実際に見てみたいと思っていたものの、なかなかその機会を得ることができませんでした。そのため今回、海外で第一線で活躍されている先生から直接お話を伺い、実際の診療現場を見学させていただけたことは、自分にとって大きな刺激となりました。
改めて、このように国内外のさまざまな分野で活躍されている先生方とつながりを持ち、直接ご指導いただいたり、一緒に働く機会を得られることは、この医局に入局して本当に良かったと感じる点の一つだと再認識しました。
今回学んだことを今後の日々の診療に活かし、少しでも医局に還元できるよう努めてまいります。まだまだ救急科専攻医として日々勉強中の身ではありますが、今後ACSグループの一員として、帰国された山口先生と一緒に働かせていただけることも大変楽しみにしております。
| <南共済病院・南医師> |
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先日、ACSチームの一員として、アメリカ・フロリダ州マイアミにあるRyder Trauma Centerで勤務されている山口先生のもとを訪問し、現地の病院を見学させていただく貴重な機会をいただきましたので、ご報告いたします。
見学を通して、日本とアメリカにおける救急医療・外傷診療の違いを実際に肌で感じることができました。
まず印象的だったのは患者背景の違いです。肥満患者が非常に多く、また手錠を装着したまま搬送される犯罪者の診療も行われていました。
そのほか、ホームレスの患者も多く、退院後の社会的調整についても日本とは異なる課題を抱えていることが印象に残っています。
日本では経験する機会のない銃創症例もほぼ毎日搬送されているようで、地域性を強く感じました。
ERにも大きな違いがありました。日本のような短時間で患者が入れ替わる運用よりは、数時間から1日以上ERに滞在する患者も多いようで、これは年間を通して救急車約10万台と非常に多くの救急搬送を受け入れていることや、重症患者を多数診療している施設特性も影響しているとのことでした。
一方で、重症外傷診療においては非常に効率的なシステムが構築されていました。初療室の数が充実していることに加え、手術室までの迅速な動線が整備されており、医師・看護師・各職種が明確な役割分担のもとで業務を行うことで、高度なチーム医療が実践されているのを感じました。
病院外でも、マイアミならではの文化や雰囲気を体感することができました。
現地は30~35℃と非常に暑く、日本へ帰国すると涼しさを感じるほどでした。南米に近い土地柄に加え、ワールドカップ開催期間中ということもあり、メキシコやキューバをはじめとした中南米から多くの人々が訪れ、街全体が非常に活気にあふれていました。
さらに、リオネル・メッシがインテル・マイアミCFに所属していることもあり、アルゼンチン代表やクラブチームのユニフォームを着たサポーターが街中に多数見られました。滞在中にはマイアミでアルゼンチン対カーボベルデの試合が開催されており、私たちも観戦を検討しましたが、チケット価格が60万円を超えるほど高騰しており、残念ながら断念しました。
私自身、幼少期をアメリカで過ごした経験がありますが、当時は患者として病院を受診する立場でした。頭部打撲で受診し、高額な医療費に両親が驚いていたことを覚えています。
今回、医療従事者としてアメリカの救急医療の現場を見学する機会をいただき、幼いころには知ることのできなかった実際の現場に触れることができ、大変貴重な機会となりました。
また、自身の今後のキャリアを考える上でも、海外で働くという選択肢をより身近に感じることができました。
海外留学をされている先生の元を訪れて、今後の自身のキャリアを考えることも大事です。このような機会を大切にし、それぞれの自己研鑽を積んでいます。
外傷外科グループを含め当教室には多数のグループが存在しますが、そのグループ関係なく、教室員全員がこのように学べる環境を整備しています。
興味のある医学生・専攻医・医師の皆様気軽にご連絡いただければと思います。