活動報告

 参加報告  2024.7.18

2024年YMAT育成研修に参加しました。


2024年7月17日横浜市消防局南消防署にて開催されました2024年度YMAT育成研修に講師運営側及び研修生として教室員が参加しました。
横浜市内における局所災害・多重傷病者発生事案などに対して、訓練を受けた医師・看護師
と消防・救急隊員とともにいち早く現場に到着し、プレホスピタル活動を行うチームをYMAT(Yokohama Medical Ambulance Team)と言います。いつでも対応できるように平時から訓練を行い、「その時」に対応できるようにしています。
今回参加した教室員から講師側・運営側・受講者側としてそれぞれ報告いたします。


<センター病院:武田医師-講師>
南消防署でYMAT養成研修の講師として参加しましたのでご報告させて頂きます。
YMATにおける医療活動について講義させて頂きました。
・常に現場指揮本部の指揮下で活動する
・現場では必要最低限の安定化処置を迅速に行う
・多数傷病者事案の場合はMD体制になり得る
上記ポイントをメインに、自身が経験した京急脱線事故の事案も紹介させて頂きました。
その後の実技研修に関しては、南消防の方含め関係各所と合同で災害現場でのトリアージ、処置、病院への搬送順位付けといった流れで実技訓練を行いました。
現場で出来ることはしっかり行うこと、安定化させてから搬送させることの重要性を改めて感じました。そのためには、環境が整った院内での手技、診療を迅速に行えることが大前提であると思います。引き続き自身も診療レベルの向上を図っていきたいと思います。


<センター病院:藤平医師-運営側>
序盤の武田先生の講義では、実際の脱線事故におけるYMAT経験を元に、さらに当時の写真を交えての説明があり、受講者は本当によく聞き入っており、実際の経験に勝るものはなく、心に響く発表で感服いたしました。
その後の実技研修では、模擬患者であっても消防関係皆様がYMAT育成のために、本気の救助さながら南消防署全体に大きく響き渡る全力の大声で実演して頂いておりました。
座学では学べない緊張感を体感し、実際のYMAT活動に向けて私自身も身が引き締まる思いで参加させて頂きました。


<センター病院:山本救命士-運営側>
本研修は医師、看護師が消防組織を知り、プレホスピタルでの活動を行う上で厳守すべきCommand&ControlとSafetyを学ぶ研修でありました。
研修内容においては、消防側の講義(災害現場における連携と安全管理について)と医療側の武田先生の講義(災害時の医療活動について)を行いました。
その後、場所を移動し想定①交通事故での外傷事案と想定②交通事故での多数傷病者事案を行いました。
今回は例年より受講生が多く一部見学の方もいましたが、コンセプトに従って適宜見学の方にも協議が行える環境を提供しておりました。
自分にとって改めて現場で行わないといけない処置、搬送を優先しなければいけない事案などを整理し感じることができました。
救助隊の意見を聞くことは普段あまりないため、大変貴重な機会となり勉強になることが多くありました。
現在、研修医の先生や若手看護師さん向けにYMAT&ドクターカーの勉強会を行っておりますので、今回の研修で新たに得たことを取り入れ、より良いものにしていけるよう尽力してまいります。

 

<横浜市民病院:小栗医師-受講者>
今回のYMAT養成研修に、市民病院からも、松尾先生、市民プログラムの専攻医2名、看護師1名と共に計5名で参加させて頂きましたので、ご報告と御礼を申し上げます。
講義では、武田先生の京急線脱線事故でのご経験のお話が、非常に臨場感をもって感じられました。
多様な現場状況全てで通用するような、画一的な評価の方法、正解があるわけではない中で、指揮本部のもと冷静に動き、時には臨機応変な対応や提案も必要であること、そのために普段の臨床からある程度のストレスのかかった状況での対応に慣れておく必要があることを感じました。
実技では、特に消防隊の皆様の覇気や声量に圧倒される場面などもあり、
今後の現場活動で意識すべきCSCAのポイントを学ぶ機会となりました。


<センター病院:小池医師-受講者>
本日、南消防署でYMAT養成研修の受講者として参加いたしましたのでご報告させていただきます。
まず動画での事前学習を踏まえ、本日の講義と実技を迎えました。
講義ではYMATの要請基準および関係する各部署との連絡の取り合い、現場での活動と他職種との連携の取り方などを学ばせていただきました。
実技に関しては交通事故による傷病者2名への対応ブースと、交通事故による多数傷病者案件を扱ったブースそれぞれで、YMAT活動の訓練を行いました。
実際の実技では、救急隊、消防隊、救助隊といった他職種と連携をとり安全を配慮したうえでYMATチームの医療を展開する難しさを痛感しました。またそれぞれの傷病者の適切な介入と安定化を図ったうえで、どの医療機関に搬送するかを迅速に判断することも非常に重要であると感じました。
今後、YMAT隊員として現場に赴く機会があると思いますが、実際の現場ではさらに混乱や緊張があり、自身の経験の少なさからも今回のようにスムーズに活動が進まないことが想定されます。日ごろからYMAT活動を念頭に置きながら、日々の診療や手技を磨いていき、現場で十分に能力が発揮できるよう努力していく所存です。


 当教室には局所災害や多数傷病者発生事案発生の際にいつでも活動できるような研修への参加やトレーニングを随時行っており、YMAT隊員も多く在籍しています。
横浜市近隣でいつ大きな事故や局所災害が発災するかわかりません。「その時」に動ける人材育成も我々横浜市大救急医学教室の使命の一つです。このような大規模実働訓練の反省を生かしてよりより体制整備に尽力してまいります。
 このような活動に興味がある若手医師の皆様、お気軽に横浜市大救急医学教室までお問い合わせください。

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