活動報告

 活動報告  2024.12.30

Primary ECMO  Transport Report


当教室は様々なグループを形成しており、そのグループに任意に所属し、自身の専門性をより向上させています。
その活動には、定期的なグループ勉強会やシミュレーションなど様々な活度を行っています。
2024年12月になり、全国的にインフルエンザウイルス感染症・コロナウイルス感染症が爆発的に増えており、我々の救急対応も増加しています。
インフルエンザウイルス感染症・コロナウイルス感染症は、呼吸器感染症として様々な呼吸器症状を引き起こすことで有名でありますが、場合によっては肺炎に進展し、死に至ることもあります。
呼吸状態悪化には、ECMOが近年の新型コロナウイルス感染症で有名になりましたが、インフルエンザウイルス感染症でもその需要が上がっています。
今回、関連施設でインフルエンザ肺炎を発症し、当教室ECMOグループが現地に出張診療を行い、その場でECMOを導入するというPrimary ECMO Transportを当教室専攻医(後期研修3年目)歌田医師が先着隊として行ってきましたので報告いたします。


横浜市内A病院に救急搬送されたインフルエンザA型感染症と診断された60歳代男性。喫煙歴:BI400程度のほか、特記事項のない患者が、感染を機に呼吸不全を呈し、一晩、ICUにて腹臥位療法で経過を見ましたが、仰臥位で長時間耐えられる酸素化までには改善せず、primary transportを含めた相談を昨日昼ごろに受け、先遣隊として評価・調整のために伺いました。

結果としてprimary transportとして先方でV-V ECMOを導入し、センター病院に搬送しEICU入室後、ECMO下腹臥位療法を行い管理を継続しています。
 
個人的には、初めて先遣隊として先方に出向いて評価・調整をするということを経験させていただきましたが、今回は特に院内の調整といった面で崖っぷちに立たされました。

本来ならば血管透視室でECMOの導入を行う予定でしたが、A病院内で他疾患に対する血管内治療が2件控えており、透視室が夕方以降にならないと使えない状況で、外来の透視室を使用するにも放射線技師のオンコールを招集しなくてはならなかったり、看護師の派遣ができない状況であり、調整に困難を要しました。

結果的に、手術室にてCアームを使って、導入する運びとなりましたが、A病院内で手術室所属の看護師を派遣くださり、Cアームを扱える技師にも来院いただくこととなり院内の調整にかなりの手間を要することとなりました。

上記のような院内の調整につきましては、救急部長に多大なる尽力を賜りました。
この場を借りて改めて感謝を申し上げさせていただきます。本当にありがとうございました。

今回は関連病院での導入だったので、言外の事項も含めて調整いただきましたが、これが関連病院でなかったら、自分はどうするべきなのか検討する機会となりました。
 
ECMOチームに関しましては、こういったprimary transportの他にも重症呼吸不全に対する管理を学ぶほか、病院内・教室内でのシミュレーション・トラブルシューティングを定期的に開催させていただいております。

若手の先生におかれましても少しでも興味があればグループリーダー谷口先生をはじめとしたECMOチームのメンバーにご連絡いただけますと幸いです。


ーーA病院救急部長よりーー
今回のECMO導入に際しては院内の調整が必要な状況でした。
血管造影室の使用が困難のため、別場所確保が必要でした。
 
当院にはハイブリッド手術室が設置されていましたので、広さ設備ともに十分使用に耐えるものでしたので、そちらの使用をできるように関係各所と調整しました。
 
麻酔科、手術室看護師、放射線技師、臨床工学部、ICUスタッフ、看護師長などあらゆるところと交渉して歌田先生が来院してから3時間程度でECMO導入開始とすることができました。
 
初めての場所と初めての人が関わる中でも、トラブルなくECMO導入、搬送ができたことは、十分なスタッフで来院して頂いたECMOチームと必要物品をチームで持ち込んでくれたこと、明確な手順書を提示してもらうことで、それに沿った対応を行うことができたことが大きかったと思います。
ECMOチームの完成されたパッケージングに感服しております。

年末年始の多数患者への対応に加え、各診療科と協力して重症患者への対応もできるのが、当科の強みだと自負しております。
各施設とも感染症流行で年末年始の救急対応は大変かと思いますが、教室員全体で協力して横浜横須賀を面で支えていきたいと想います。


当教室は横浜・横須賀地域での呼吸不全患者を専門チームに集約化し、集中治療管理が行えるシステムをECMOグループが中心となって行っているだけでなく、関連施設・非関連施設隔たりなく、センター病院のECMO Carで現場に専門チームが駆けつけ、その評価を行い、場合によっては今回のように、その場でECMOを導入し、センター病院に集約化してくるというPrimary ECMO Transportを行っています。
新型コロナウイルス感染症で、ECMOの需要が全国的に増え、管理できる施設は多くなっておりますが、当教室では、さらにその専門性に特化し、さらに安全かつ的確な治療ができるような体制を作っています。
このような活動に興味がある若手医師の皆様、お気軽に横浜市大救急医学教室までお問い合わせください。

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