活動報告 2024.10.28
ECMOコールシミュレーション報告
2024年10月28日横浜市立大学附属市民総合医療センター高度救命救急センターにてECMOコールシミュレーションを行いました。以下歌田医師より報告です。
当院は横浜市の「最後の砦」として、様々な病態を有した重症患者が昼夜を問わず、救急搬送されます。
そこで、緊急性の高い重症外傷や産後出血による出血性ショックに対して救急科医師のみならず、放射線科医師、産婦人科医師、放射線技師、臨床工学技士、輸血部、救急事務と協働して重症患者の診療にあたるスイッチを押す役割を担う「トラウマコール」、「産褥コール」といった院内システムが採用されています。
今回の「ECMOコール」は、shockable rhythmの心肺停止事案に迅速にVA-ECMOを導入するためのシステムであり、救急科医師、循環器内科医師、看護師、放射線技師、臨床工学技士などと協働して診療に当たります。しかしながら様々な職種が一堂に介して診療にあたる場合はチームダイナミクスの養成が必要となります。そのため当院では定期的にコールシミュレーションを行い、システム自体の確認、職種間での認識の共通化、問題点の抽出と改善方法の模索、診療の迅速化を狙っています。
今回は救急科医師、循環器内科医師、麻酔科医師、研修医、看護師、放射線技師、臨床工学技士、横浜市大学生など様々な職種から述べ50名ほどのスタッフにお集まりいただきました。
まず初めに、救命センターECMOチームリーダーである谷口医師より講義があり、その後に診療シミュレーションを行います。訓練ではありますが、実際にECMOコールを発令して診療に当たりました。
このシミュレーションでは患者到着からVA-ECMO確立までの目標時間を15分間に設定しております。シミュレーション終了後は参加いただいた全ての職種の方からうまくいった点や改善すべき点を議論することで、より安全かつ迅速にVA-ECMOを確立するための改善点を抽出することが出来ました。
日常の診療においてお忙しい中、集まってくださった方々に感謝申し上げます。
今後もより良い診療を行なっていくために当センターでは定期的にシミュレーションを行なっております。
今後も継続的に開催し、少しでも急変次対応の質の維持や向上に貢献できればと思っております。